エピソード1
「この世に数えきれないほどいるアイドルグループは、皆、私たちを潤してくれるオアシスなのである。」

宗教に勧誘されているのかと思うほど熱弁する親友のユミ。

「なるほどね。私たち受験生なんだから、勉強もしようね。」

「ちゃんと勉強もしてるよ!!
 ひろくんに見守られながら❤️」

と、クリアファイルを抱きしめながら、幸せそうだ。
ユミの推しと言うこともあって、
『ひろくん』
だけは唯一私も知っている。

「そういえば、サキは進路決まったの?」

さっきまでのハイテンションが嘘みたいに真剣になるユミ。

「それが、まだなんだよね。」

今日は、うざいほど空が眩しい。