私の自宅へ到着。ほんの15分程度の距離。しかし一人で歩く距離と誰かと、彼と歩く距離では全くの別の世界にいるようだと考えては掻き消す。 「疲れてるのにごめん、ありがとう」 「いや、いい。また来いよ」 「うん」 それだけ言葉を交わし、彼は来た道を帰っていく。一人で。私はその後姿を見ては、泣きそうな気持になってしまう。不安そうで、寂しそうで。それでいて強がりな彼の後ろ姿。 この日の私はいつも通りではなかったのだろう。 「朔(サク)ちゃん」 思わず声が出ていた。