私、坂野香奈は高校に入ってすぐ、友達に言われた


【当たって砕けろ!!】


ということばを胸に奏太先輩に告白した。



ファンの多い先輩だったためあまりは期待してなかったが

返事はまさかのオッケーだった。





中学の時から好きだった先輩。




出会ったのは中1の夏だった。



☆︎★︎☆︎★︎☆︎★︎☆︎★︎☆︎★︎


先輩は中3。



かっこいい先輩がいると噂がいつもあって、



ひと目見ようと三年生の教室にむかっているところだった。




階段を登っていた私は、



前から来た人に気づくことなく友達と階段を駆け上がっていた。



そしてその人と衝突した。

「キャッ!」


よろけて落ちそうになった私を支えてくれたのは
偶然通りかかった噂のイケメン先輩だった。




恥ずかしくなった私は
俯いてお礼はしっかり言えてなかったかもしれない。




ただ覚えてるのは整った顔立ちと

支えてくれたときに感じた先輩の筋肉だった。




それからの私は
朝会や授業で三年生と活動するたびに先輩を目で追うようになり、
顔立ちだけじゃなく、
優しい人柄にも惹かれていった。