この物語の結末はきっと、誰にとっても幸せなものではないだろう。


 胸に迫る切なさを押し込めて、少年は精一杯の笑顔をつくる。ぎこちないのを承知の上で。



 今が、一番情けない顔をしているだろう、それでも最後は――やっぱり笑った顔がいい。



 すべては最愛の姫のために。




「ありがとう我が姫よ」