キミのためだけの動画

クラスに入ると、みんな驚いた顔をしたけど、髪形を褒めてくれた。


「りりこちゃん、可愛いね。すごく似合ってるよ」


「うんうん、めっちゃ可愛い!」


みんな口をそろえてそう言った。やっぱり、可愛くないわけがないもん。


すると、音羽が遅れて教室に入ってきた。


すると、怒ったような顔でこっちに近づいてくる。私はすぐに声をかけた。


「音羽、どうしたの?」


「何やってるの、りりこちゃん! こんな暑い中、一年生の子ほったらかしたでしょ。私が連れてきたんだよ!」


あいつが私のことバカにするのが悪いじゃん! 


「あいつが私のことバカにするからだよ! 迎えに行ってやってるのにそんなのないじゃん!」


「それでも一年生なんだから、しっかり送ってあげないとだめだよ!」

 
そこに、クラスメイトが口をはさんでくる。


「それはりりこちゃんが悪いと思う……」


「音羽ちゃんに謝りなよ」


悪いのはみんなと一年生だ。それに私にはフォロワーがいる。


みんなより人気で、たくさんの評価があって、いろんな人が私を認めてる。


私が悪いわけない。