「伊織ちゃん好きな人いるの!?」 「はいはい七奈、静かに。迎えありがとう東雲くん。これ伊織ちゃんの荷物」 「すみません、ありがとうございます。じゃあ、行くか、伊織」 ボーッとしていた私の手を取ろうとしたけど、ピタッと止まったシノの左手が視界に入り、咄嗟にその手を握っていた。 「見ない間に可愛くなったなあ。」 手は繋いだままに、シノが私の顔を凝視した。 「それよりっ、何で分かったの…?」