「ただいま伊織」
「お、おかえり!早いね。」
慌てて時計を見れば、既に9時だった。
9時だと思わなかった私は、夕飯を用意してないことに気づく。
「ごめん!すぐご飯作るね!」
「いいよ。たまには何か頼もう。」
慌てて立ち上がった私を湊は抱きしめた。
その温もりに、私は胸がいっぱいになってしまう。
不安だったんだ。
桃子さんに産婦人科を勧められて、おめでとうございますと言われたこの数時間
「うっ、……湊ぉ…。」
「どうした?」
突然泣き出した私に驚きつつも、背中を撫でながら私が話し出すのを待ってくれる。
「私っ、妊娠してる。」


