凪さんがご機嫌なのは珍しいと感じながら、不器用な男とは?と思いながら、渡されたハンバーガーを大口で食べる。


久しぶりに食べると美味しいなぁ。

よっぽどお腹が空いていたらしく、あっという間に食べてしまった。




お腹が満たされると今度は睡魔が襲ってくる。



「ん?…寝そうなの?」

「あ、ごめんなさい。…寝ません。」



凪さんにもたれる体制になってしまい、慌てて体を起こす。


でも、目が重力に負けてしまった。












「……部屋に運んで良いですか。」


「ありがとう。そっちの方が良い。」



起こさないようにそっと抱き上げ、目立たないようにこっそり2階へと向かう。




「あれ、きぃは?」


「ん?王子様が攫って行った。」


「……ああ、なるほど。」



嬉しそうに笑い合う陽彩と凪

その笑顔は妹の恋が上手くいくことを願っているような表情だった。