桜さんたちは準備している間に帰っていた。


桜さんの夫というのはやっぱり、紅蓮と仲良かった先生だった。



横山さんは稽古途中にはもう戻ってたらしく、『伊織様が楽しそうで良かったです。』なんて凪さんに言ってたらしい。




シノと凪さんの間に収まり、次々に無くなっていく料理を眺めていた。


久々の運動で疲れてしまった。
フードを被っているため視界は狭く暗いため、脳はお休みモードに切り替わりそうだ。




「きぃさん!お菓子いります!?」


「サラダありますよ!」



足元に滑り込む勢いで、しーと律が手に料理を持ってやって来た。


「あっ、これ俺好きなんだよ〜!」


「シノさんに持ってきてないです!!」



シノに取られそうになったお菓子を座ってる私の太ももにドサっと置いた。

「これなら食べるかなって持ってきたんです…。」