それからは視界にシノしか入らないくらい集中していた。



シノは東雲組の若頭
本気じゃないのは明らかで。


でも、手を抜いているんじゃなくて、しっかり私の弱いところを狙ってるし、師匠として相手してくれる。




『きぃは力じゃ叶わないから、頭使うんだ。』


これが1番最初にシノから教えてもらったこと。

ただただ攻撃を繰り返して、避けられ続けていた私は頭を使ってなかった。



それからは、自分なりに相手を分析して、冷静に事を進めるようにした。


…でも、目の前のシノは私がそうしてる事を逆手にとってわざと違う分析をさせる事も多々あった。




「もう騙されないから。」


「まーだ根に持ってたの?ごめんって言ったじゃん!」