笑いながらそう言って、こっち行こうと隅の壁際に2人並んで座る。





「伊織ちゃんは、好きな人がいるの?」



ストレートな質問に、ゔっとなりながらも小さく頷く。



「じゃあ、好きってことは簡単だよ。その人のことずっと考えちゃって何も手につかない。」


心当たりがありすぎて、思わず頷いてしまった。



「あはっ、可愛い。進展は無さそうなの?」


進展……。



「えっ、と……、好きだと言ってくれて。」


「えっ!?」


バッと思わず初対面の桜さんの口を塞いでしまう。


「ごめんなさい!」


「いやいや、私がごめん!ちょっと落ち着く。…続き話してくれる?」




キラキラした目をしている桜さん

「……見合う男になったら、プ、プロポーズ、するから。って………。」



ん"!と隣から声が漏れる。

見ると桜さんは声が出る前に、自分で口を塞いだようだ。