過度な期待を持たせてしまっているのが申し訳ない。



何と返せばいいのか…。



「あと、藤咲の子?」




思わずバッと顔を見てしまった。


「あっ!!やっぱり可愛い!」


勢いよく向けてしまったため、フードが少し浮いてしまった。

慌てて直していると、ギューッと抱きしめられる。




「私、矢田桜。あのうるさい人は矢田遊佐。私の夫。」


「あっ、えっと…、藤咲、伊織です。」



反射的に名前を名乗ると、桜さんは私を離してくれた。


「伊織ちゃんね。覚えた!」


気をつかってくれてるのか、最初からずっと小声での会話




「ねね、涼ちゃんって普段どんな感じ?なかなか想像できないの。」


「横山さんはとても良い人です。優しいですし、お仕事も何でもできます。」


「昔から何でもできてたもんなー。」