倉庫のあちこちで稽古が始まる。
私は横山さんの普段とは真逆の姿に驚きを通り越して冷静になってきた。
現役でもいけそうなくらいの迫力がある。
……なんなら、東雲組にいそうだ。
「隣いい?」
「えっ…、あ、はい。」
隣に座ったのは横山さんを涼ちゃんと呼んでいた女性
フード越しからでも美人なのが分かる。
「…女の子よね?」
小さな声で聞こえたその声にビクッと反応してしまった。
「あ、そんな怖がらないで?脅しとかじゃなくて涼ちゃんが可愛い子連れて来てる!って思っただけなの。」
「……あの、そんなに分かりやすいですか?」
初見でバレるなんて問題だ。
変装になってないってこと。
「うーん、まぁ、分かるけど。たぶん、男はほとんど気づかないんじゃない?でも、私は分かるの!絶対この子可愛いって!!」


