双子の貞子ちゃん 2




シノ、心配かけてるよね…。

きっと、しーも心配してる。




黙って俯く私に横山さんは


「伊織様、私と行きませんか?」

「えっ?」



「実は、陽彩様は皆さんと共に紅蓮の所にいらっしゃいます。」


"紅蓮"
そのワードにドクンッと心臓が大きく鳴った。



「稽古をつけるらしいです。」


…そういうことか。

「うーん……、私が行ってもな…。」



「生意気ですが、私の喧嘩している所見れますよ。」



その一言に顔を上げてしまう。

そうだ、横山さん昔、紅蓮にいたって…。



「……行きます。横山さんのヤンチャ姿見てみたい。」







柔らかく笑う伊織様

陽彩様が言ってた通りだ。




『きぃが悩んでたら、横山さんの喧嘩姿見れるぞって言ってみてください。…そしたらきっと来ますよ。」



「……さすが、陽彩様」



着替えると言ってパタパタと走る後ろ姿を見て、静かに入り口を閉めた。