双子の貞子ちゃん 2







「もう、分かんない………。」



こんな幸せな悩みを持つなんて、初めてだ。













コンコン
「伊織様」




入り口から横山さんの声が聞こえて、ハッとする。

慌ててベッドから降り、ノックを続ける横山さんに返事をし、入り口を開ける。


「はい!」


「あ、すみません。急かした訳ではないのです。おはようございます。伊織様」



優雅な笑顔を浮かべてお辞儀をする横山さん

つられて私も丁寧に返す。


「おはようございます。…何かありましたか。」


そんなことを訪ねてしまったが、それはきっと横山さんのセリフだろうな。

突然私が部屋にこもり始めたから。



申し訳なく感じ、目をキョロキョロさせていると、


「伊織様、陽彩様が遊びにおいでとおっしゃっていました。」