双子の貞子ちゃん 2




ビクッと手が止まる。

顔も上げられない。






ガタッと音がなり、湊がこちらに来るのが分かる。


それでも俯いてると、私の手にある止まったままのナイフとフォークを抜き取り、置いた後、そのまま私の両手を湊の両手が包み込んだ。



「伊織」



私の手を包み込んだまま、湊は私の側に跪いた。




視線を向けるよう、そしてそらさせないように頬に手を添えられた私


目が合えば、優しい顔で湊が笑った。








「好きだ。」






「気づいたら目で追ってた。…たぶん最初の、伊織が俺の腕で幸せそうに寝てた、あの時に惹かれたんだと思う。」



「伊織が背負ってるものを取り払うことは俺なんかじゃできない。……でも、頑張っている伊織を甘やかしたい。抱きしめたい。」