…いや、そんなはずない


痺れた足に力を入れ、森のような木々の間を足音を立てない様、ゆっくり歩く。





やがて出入り口付近に着いた。
地から揺れるようなバイク音が聞こえる。

どうするか…。
あれを見てAliceを倒しに来たんだろう。

覗き見れば、結構ガラの悪いのが集まっている。


「……報告しよう。」



何か起きる前に報告するべき。

そう考えて足早にシノたちのところに向かう。







「シノ、他の族が来た。」

シノたちの側に行くと、生身のぶつかり合う音が鮮明に聞こえる。


「ああ、まだ来るらしいぞ。」

「え?」



スッと手に乗せられた凪さんのタブレット
そこには、防犯カメラと思われる角度の映像が。


パラパラと変わる映像のほとんどにバイク集団が映っている。