あぁ〜なるほど。
やっと理解出来た僕は頷く。
隣の歩稀はやれやれと溜め息を盛大に付いてたけど…。
いや、可愛らしい従業員さん達ばかりだなぁとは思ってたよ?
それが顔重視だったなんて…ん?

「あのさ、顔重視なら何で僕達受かったの?」
「はぁ?僕達が周りから何て言われてるか知らないわけ?」
「…ごめん、知らない」
「美少年だよ!」
「何処の誰が?」
「僕達以外に居るわけないでしょ」

一々説明させないでと怒鳴られたけどさ、本当に知らないんだもん。
何そのフレーズ。
何処かのアイドルグループ名か何かですか?
女顔で可愛い歩稀なら分かるよ?
何で僕まで含まれてんの?

「ねぇ、歩稀。僕の何処に美少年要素があるの?」
「春は顔しか良い要素ないでしょ」
「酷すぎる!それでも親友!?」
「え…他にあった?」

歩稀が心底驚いた顔をするから、一発ドついてやろうか考える。
…いや、返り討ちにあうからやめとこう。

「春、何飲む?僕は珈琲にしようかな」
「うぇっ。良くあんな苦いのブラックで飲めるよね。本当に高校生?」
「お子ちゃま舌に言われたくないね」
「ゔっ…べ、別に珈琲飲めなくても良いの!」

良くあんな苦いの飲めるよなぁ。
以前飲まされた事があるけど、あれは飲み物じゃない。
只々苦い何かだ…うん。