そして誰も…

あの夏は本当に暑かった
本当に忘れもしない、いや忘れることの出来ない高校2年生の時の出来事…

え、聞きたいの?息子くん
仕方ないな…ちょっと話していこうかな
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数年前
私は当時高校2年生だった。
まだパパとは出会ってはいなくて、彼氏も欲しいし適度に運動も勉強も頑張ってて、メイクも始めたばっかりのごく一般的な女子高生だったんだよね。
その日は7限の授業が終わって習い事も終わったからかなり疲れた状態で帰りの電車に乗ったんだ。
行先は自分の家に向かってたし、まあ多少乗り過ごしても反対行きの列車に乗ればいいだろって考えて、スマホゲームに熱中していた。30分くらい過ぎたくらいに、ふと顔を上げたら周りに数人しかいなくて見慣れない景色を走ってる事に気がついた。
(あ、最寄り駅過ぎちゃったかな)って最初は思ったんだけど、何か様子が可笑しいんだよね。私の乗る電車は田舎の電車だから確かにものすごく混んでいる訳では無かったけど、帰宅の時間だったしこんなに人が居ないのは変なんだよ。それになんて言うか、みんな体調が悪そうに見えるというか…、説明しずらいんだけど何かが可笑しかった。それに空気も悪いような。
とりあえず次の駅で降りて反対行きの電車に乗ろうと思った。電光掲示板で次の駅を確認しようと周囲を見渡した。すると、電光掲示板のはずなのに次の駅が表示されていなかった。
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