僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル

「……幸せだな」

ふいに、七生が言った。

「……え?」


問い掛けた僕を無視して、七生は瓶を脇に置くと仰向けに寝転んだ。



「天気が良くて、吾桑が見舞いに来てくれて、麦酒がうまくて……さ。

幸せだよ、ホント。

生きててよかった」


ちらり、と横目で僕を見る。

その目に翳りは、ない。

まるで何かを悟り切ったように清々しい目をしている。



だけど。


「七生……?」


妙な息苦しさを覚えて、僕は七生を見た。


彼女はもう、静かに目を閉じていた。