僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル

その次は、梅雨の最中だった。



街路樹の下を歩くと、透明なビニル傘に大きな雨粒が何度も当たって跳ねた。



靴も、ジーンズの裾も、重く湿っていた。



その日、七生は窓際のベッドで膝を抱えて、ただしとしとと降る雨を見つめていた。



次に来るときは、本でも持ってきてよ。暇なんだ―――




七生は長い睫毛を伏せて言った。


睫毛の影が、痩せた頬に落ちて、僕は本当に検査入院なのか、問い詰めることが出来なかった。