僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル

少し前まで、僕は生と死は同じことだと思っていた。


生きて、老いて、その先には例外なく死が待っている。

つまり、生まれてきたときから死は決まっている。

誰も逃れられない。


だから、僕はいつも死を意識して、生への執着がなかった。

今死ぬことも、100歳で死ぬことも同じ死だと思っていた。


だから、小さい頃は他の子供よりも怪我が多かったように思う。


六歳の頃、自転車で無茶をして作った傷痕がTシャツから伸びた僕の腕に残っている。


干からびたミミズみたいなその傷痕を、いつだったか、七生が撫でてくれたのを思い出した。



七生は、多分、僕にとって特別な存在だ。