あおに健さんからの連絡を伝えようと、探していたら、
人気の少ないところにあおと新しいトレーナーの姿。
話は聞こえないけど、
あおが強く握りしめた手がいい話じゃないことを物語っていて。
すぐに声をかけると、
逃げるようにあおに耳打ちしてすぐにさるトレーナー。
あお自身は小さく息を吐いていつも通り。
「祐真さん、どうかしました?」
にこりと笑う彼女は目が冷たい。
俺の怒りやもどかしさが伝わったのか、
一度視線をそらして、
何もなかったように歩き出す。
「あお、好きだよ。」
心から溢れ出たその言葉に、
動きを止めて振り返る彼女の顔は、
とても苦しそうな顔で。
「俺が一番輝く。だから」
付き合って、そばにいて、守らせて、
そう続けようとした言葉は遮られて、
仲間の好意としてねじ曲げられる。
それが酷く戸惑った。
だって、あおの方が苦しそうな表情をしていたから。