インタビューに集まったのは去年とほとんど変わらないメンバー。

変わったのは、

「お兄ちゃん、久しぶり〜」

そう、妹の由香(ゆか)が加わったくらい。

全員で8人で、

会場の設営が完成するまで談笑している。

けど、俺は隣のコートで練習してる二人に意識が向くばかり。

「あおさん!今のは!?」

「んー、80点!打点の高さはすごいよかった!けど、コースがまだ甘いかなぁ。」

あおと渉の掛け合いに耳を傾ける。

「あおさん!今日もあおさんの部屋行っても、へぶっ!」

渉の一件爆弾発言にもとれるその言葉にあおがすぐさま口を塞ぐ。

こちらの様子をあおが確認して渉に注意する。

渉め…最近夜居なくなると思ったらあおの部屋通ってたのか。

まぁ怪しい理由なんて全くなくて、

ただただバレーに関することなのはここにいる人はわかってるけど、

はたから見たら違う風にとられてもおかしくない。

「お兄ちゃんの最近の口癖の『あお』さん?」

じーっと二人の練習を見てる俺の横から由香が声をかける。

「そんな言ってる?」

「言ってるよ!お母さんもお父さんもついにお兄ちゃんが…って軽く感動してるんだから。」

なんだ、それは。初めて聞いたぞ。

そのまま二人で練習を見てると、

あおはいつも通りに男子のトップクラスのスパイクを淡々とあげていて、

もう見慣れた男子代表は、またやってるわーって目で見るけど、

女子代表はいつのまにか食い入るようにあおを見ている。