ため息をついて、

「…祐真さん、明日ちゃんとトレーナーに見てもらったほうがいいと思います。それから明日はオフにしてください。」

「え、あおじゃダメなの?」

「プロの身体はプロがみるのが一番です。オフの宿題出しますからね。」

そうやって言って立ち上がろうとすると、

腕を引かれてバランスを崩す。

なんとか踏みとどまって抗議しようとあげた顔は祐真さんのすぐ近くで、

触れそうな距離。

「…あおはプロだよ。」

吸い込まれるくらい強い瞳。

固まる。

「こほん!」

リサのわざとしい咳で意識が戻ってくる。

なに、してんの、

「…とにかく絶対明日は様子みてください、あとはトレーナーさんの指示に従ってください。はい、寝てくださいね!」

足に配慮しながら背中を押して、

何かいいたそうな祐真さんに気づきながらも、

扉を閉める。

「はぁ…」

私がため息をつくと、

「ドラマになりそう、コーチと選手のお互いを高め合う甘々な関係!」

リサの言葉に、

「…やめてよ、そんなの万が一にも起きちゃいけないんだから。」

私は力なく言う。

「なんで?別にいいじゃん、二人とも真剣にバレーには取り組んでるし。」

「ファンの方もいるし…宮本祐真は、私が横に立てない人だよ。」

私の言葉にリサは不服そうに、

「考えすぎだと思う…よ、難しいけど。でも、絶対二人は運命だと思うんだけどなぁー」

と足をバタバタさせつつ言う。

ダメだよ、万が一、にも。