君を輝かせるのは私だけ。


まだそのボールを使ったことがなくて、

手でたくさん触る。

今までと少し触り心地も違うってことは、

プレイでもギャップがあるのかな。

「おーい、莉緒、戻ってこーい。」

ボールのデザインも今までとは違うから、

サーブを打った時の変化も今までと変わるのかも…

「莉緒!」

「はい!す、すみませんボール返します!」

色々考えててつい夢中になってて、

慌ててボールをきた方向に返す。

「莉緒お前なー、その集中すると周りをシャットダウンするくせ気をつけろよ?」

「…はい。忘れ物。」

恥ずかしくなりつつ、

忘れ物を手渡す。

手渡したことを確認するのに顔を上げたら、

けんくんの周りに高身長男子の集まりが。

へっ!?

なんかみんな集まってきてる!?

「えーけんくんの妹さん?」
「可愛いね」
「さっきのすごいねーバレーしてるの?」

10人近くに質問をされて、

プチパニック。

こ、この状況どうしたら…

ていうか、みんな有名プレイヤー。

そう、私の兄は、バレーボール選手で、

全日本のキャプテンを任されている蒼井健太なのです…が、

映像や、ギャラリーからしかみたことない選手たちがこんなに近くにいる事実に倒れそうになる。

「莉緒、どうせシューズ持ってるだろ?少し体動かさない?午前の部はこれで終わりだから。」

は?