ポンポンと肩を優しく叩かれて、
意識がゆっくり浮上する。
「祐真、つくぞ。」
いつ間にか動画を見ながら寝ていたらしく、
慌てて横を見ると、
相変わらず熱心に本にかぶりついている彼女。
…この子に眠気とかないのかな。
いや、食堂で寝てたことあったなぁ。
健さんにお礼を言って小さく伸びをすると、
広げていた荷物を片付ける。
新幹線を降りてタクシーを捕まえて、
「あお、今日は何勉強してたの?ずっと起きてたの?初めてあった日以外で私服見るの初めて!可愛いね?」
さすがにタクシーは一緒に乗るしかなく、
慌てて中に乗り込んだあおに流れるように質問を重ねる。
「…祐真さん、質問多すぎ、です。」
少し驚いた顔の彼女が言う。
だって、本当はいっぱい話したかったから。
そう伝えても、
あ、そうですか、と返ってくるだけでその意識はもうタブレットに向けられている。
…面白くない。
そう思いつつタブレットを見ると、
知らない人。