思った通り新幹線に乗って移動する。

もちろん俺の隣は健さんで、

向かいの3人掛けの方の通路側にあおが1人で座ってる。

あおの横の若い男性が首をかくかくしながら眠気と闘っていて、

今にもあおの肩に寄りかかるんじゃないかとヒヤヒヤする。

「…祐真、見過ぎ。」

健さんが呆れたように笑う。

「だって、もう数ヶ月もあってない。」

拗ねるように言った俺に聞こえてるのか聞こえてないのか、

あおは1ミリも反応を示さず、タブレットの中の画面を見ている。

…少しくらいこっち向いてくれてもいいのに。

どうやったら俺に視線を向けてくれるかなんて少し一緒にいただけでわかる。

バレーをしたらいいのだ。

…まぁここは新幹線の中だから、

あおの視線をこっちに向ける策はないに等しいのだけれど。

…あぁ、バレーがしたい。

俺もあおに送ってもらったフォームの改善の映像みよ。

君が高みを目指して努力するのなら、

俺も負けずに努力しないと。