「お前来週暇？」

え？

来週は…頭の中で予定を確認する。

「週末なら…」

「…行くかぁ、じゃあ。開けとけよ。」

どこに…

話の流れからして視察だろうか。

まぁどこでもついていきますよ。

健さんだからね。

「あおは、元気ですか」

「あー、超人並みのスケジュールで毎日全力で生きてるよ。もう少し手を抜くとか覚えるといいのにな。」

「想像出来ちゃいますね、そのスケジュール。まぁ、そこが良さじゃないですか。」

俺の言葉に笑う健さん。

「楽しみだよな、本当。今以上に知識つけたらどうなるか。」

健さんがあおの話をするときはいつも優しい顔だ。

もともと後輩にも先輩にも優しいし、好かれる人だけど、

もっともっと優しい顔になる。

あおは気付いてなさそうだな、とあおの顔を思い出して笑う。

「まっ、俺としては天下の祐真様がうちの妹に振り回されてるのが面白そうで見てみたいけどね。」

健さんの言葉に、苦笑いする。

「心配しなくてもそうなる未来しか見えませんよ。」

そう返すと、健さんは、だよなって笑って、

「とりあえず週末あけとけよ！」

と念押ししてくる。
　　
どこに行くのか、どんなやつに出会うのか、たのしみだ。