でも、今日は合宿最終日。

俺は夕食時にあおを捕まえて正面に座る。

ニコニコと笑顔な俺と、

嫌そうなあお。

「なんでしょう…か。」

「今日の俺の成績は?」

「素晴らしかったです。膝の痛みはどうですか。」

「今日はそこまで感じてないよ。で?スパイクは?」

「…ミスゼロです。」

なんとも言えない表情であおがそう言うのが面白くてついつい笑ってしまう。

「あお、呼んでよ!」

「…別に他の皆さんだって名字にさんづけの方も多いし…」

「約束でしょ?」

一方的でしたけどね、とあおは言う。

しばらく俺がルンルンした目で見てたのにようやく折れたのか、

「呼び捨ては絶対しません。…祐真さんでいいですか?」

少し照れながら言う彼女に嬉しくなる。

「仕方ない!」

彼女は、なんでそこまでこだわるんですか…なんでぶちぶち言いつつも俺の顔を見て笑う。

「祐真さんって犬っぽいですね。」

「えーじゃあ可愛がって?」

「…他をあたってください。」

呆れたように言われたけど、

よくよく見ると耳が赤く染まってるのは俺だけの秘密。