「…バレー詳しいの?」
「え、好きですけど詳しいかどうかは…」
いきなりなんだろう。
「バレーやってるの?」
「やってます!あ、でもどうでしょう。もう部活並みにとかは…できてなくて。練習相手になってるくらいです。」
ポンポンと質問を投げかけてくる男性に答えていると、
ケータイがなる。
あ。
「すみません!行かなきゃ!」
お辞儀して私はその場を離れる。
走って待ち合わせ場所に行くと、
少し退屈そうに待つ目立つ人。
「ごめん、けんくん!」
「いーけど!帰るぞ。いいもんあった?」
「うん!買い物自体は5分くらいで終わったんだけど、変わった人にあってさー」
私はさっきの出来事を話す。
けんくんは、ふーん、と興味深そうにきいて、
「身長何センチくらいあった?」
と聞いてくる。
「んー、197くらいかな。すごい高かった。」
「ふーん、帽子こんなのじゃなかった?」
「えー?そう、それ!」
けんくんに見せられた写真に頷く。
けんくんは嬉しそうにわらって、
「いい出会いだよ。俺の可愛い妹が発見される日が近いかもなぁ。」
とよくわからないことを言う。
よくわからないから、いっか。
そう思って深く考えずに隣を歩いた。

