「だから!俺の気持ちにもなってよ!わからずや!」
「悪いとは思ってますけど、そこまでしなくても大丈夫です!」
数日後に退院できた私に、
祐真さんが甲斐甲斐しく世話をするから、
私が断るとこうなってしまった。
「悪いと思ってんだったら、…抱きしめて。」
はぁ?そんな話してた?
何を言ってるんだと少し呆れながら振り返ると、
すごく不安そうな目をしていて、
とてつもなく反省する。
たしかに目の前で意識を失われたら私も気が動転するし、不安になる。
「祐真さん、こっちきてください。」
ツンツンと、自分の目の前を指差す。
祐真さんは押してくれていた車椅子を止めて、
前に回り込んでくれる。
かがんで目線を合わせようとしてくれるから、
ネクタイを引っ張って口付ける。
「なっ、」
「祐真さん、ありがと…見合うパートナーになれましたか?」
「…あおはいつだってそうやって…ずるい…」
祐真さんが私の首に手を回して、
身を乗り出すように抱きしめてくれる。
ゆっくり手を回して抱きしめ返すと、
「最強のパートナーだよ。あお、結婚してください。」
ふふっと笑ってしまう。