もう、大丈夫。
そう伝えた瞬間目の前で膝から崩れ落ちる彼女を抱きとめる。
ずっとくっついて回っていたからわかってたけど、
彼女の身体は異常なくらい熱を帯びてて。
「…はっ、…痛い…熱い…」
おそらく意識はないであろう彼女が呼吸を荒くして、
朦朧として繰り返す。
グッと力を入れて抱きしめて、
一度彼女から離れてた時に近くに来てもらっていた先生に確認してもらう。
「…まずいな、タンカーと救急車!」
先生の一言に周りが一気に騒がしくなる。
由香以外の女子メンバーは何が起こってるのか戸惑いがあって、
男子も俺と健さんと渉以外が立ち尽くしている。
「由香、タオル持ってきて、渉は冷やすもの!」
二人が走り出す。
リサちゃんは泣きながらカメラを握っている。
うん、正解だよ、リサちゃん。
あおならきっとそうしてた。
「とりあえず他のメンバー落ち着かせる。」
健さんがそう言って背を向ける。
先生が、
「靴とか脱がせそうなら脱がせて、少しでも痛そうなら切ろう。」
そう指示をしながらあおの意識状態なんかをタンカーに乗せて確認する。
震える手で靴紐を外して、
靴に触って固まる。
「え…」