ボールの行方をまだ追っていたのを慌ててあおに戻すと、
壁に突っ込んで身体が反転して落ちたのか何なのか、
倒れた椅子や机の中にあおが横たわっている。
「あお!」
立ち上がって駆け寄ろうとするのを、
「祐真、渉、試合中。」
震える健さんの手で止められる。
何も、何もできない。
自分に情けなさを感じつつも、
チームメイトがあおによっていくと、
あおは笑って立ち上がる。
ねぇ、本当に立ち上がって大丈夫?
あお、もうやめて、
もういいよ、頑張らないで。
そう口にしたくなるのを必死に抑える。
あおがこちらを見て、
苦笑いする。
ふぅ、と健さんも渉も漏らす。
動けてるなら、よかった。
よかった?
本当に?
あおが頑張ってるのは健さんやあお自身のためなのに、
あおの頑張りを否定したくないのに、
もう、頑張らないでって気持ちに支配される。

