そう思って、片耳にしてたイヤホンを取って、振り返る、

「すみません、」

会釈をして、また歩き出そうとしたら、

『莉緒、待って!』
『莉緒さん、歩くの早すぎ!』

私が登ってきた階段の方からリサと由香ちゃんが走ってくる。

え、あ!ついてきてくれたのか!

もう一度通してもらったところを戻って二人に近寄ろうとすると、

舌打ちがもう一度聞こえて、

気づいた時には身体が浮いてて、

「あ。」

やばい。

そう思った時にはあたりがスローモーションのようになって、

頭の中だけクリアに、

これは怒られるやつだな、なんて思ってた。

とりあえず頭だけは守らないと、

最悪足は引きずってでも動くから、

頭だけはなんとか守らないと…

そんな意識のまま、暗闇の中に落ちてった。