合宿所に戻ると、個人個人と意見を出し合ってるあおがいて、

その目はキラキラしてる。

…側からみると忙しすぎて大変そう、だけど、

あおからすると、

楽しすぎるしやりたいこと多すぎて、

時間足りないって感じなんだろうなぁ。

思わず笑ってしまう。

渉は急に笑い出した俺に怪訝な目を向けてくるけど、

健さんは同じように笑ってる。

俺たちが笑ってると、

あおが気づいて寄ってきてくれる。

「お疲れ様です!今、気になるとこ話してて…祐真さん少し意見欲しいんですけど…あ!けんくんは監督が呼んでた!あと、なんだっけ、あ、女子の方にも行かないと!」

バタバタとあっという間に離れていきそうになるから、

意識しないうちに腕を掴んでしまった。

健さんは俺の肩をぽんぽんと叩いて、

「この空間の中で五分な」

と監督の方に歩いていく。

渉も、

「あおさん少し息抜きしてください!」

とニコニコ笑って離れてく。

…先輩を息抜き扱いもどうかと思うけど。

とりあえず感謝。

「…?」

不思議そうにその光景をみるあおに声をかける。

「女子のミーティングももうすぐ?」

「隣の部屋で15分後です!」

「そか、5分くらいだけでいいから少し話したい」

あおは時計を確認してふわりと笑う。

「大丈夫です!」

2人で少し離れた席に横並びに腰掛ける。