君を輝かせるのは私だけ。


三人で歩きながら、

由香ちゃんが行きたいと見つけてくれたご飯屋さんに向かう。

由香ちゃん、リサ、私の順で道を歩いていると、

何回も肩がぶつかる。

まぁ理由はわかってるんだけど…

「…妹さんにまで媚び売ってんの」
「不釣り合い」
「調子乗るな、コネのくせに」

とまぁ、小声でよく言われる。

「ちょっと!」

最後のぶつかった人の声が聞こえたのか、

リサが反応する。

「リサ、大丈夫だから。ごめんね。」

リサを止めて、そのまま歩き出すと、

後ろでは舌打ち。

そう、街を歩くとここ一年はずっとこう。

ワールドカップを前に女子代表でもあって、男子にも帯同してることは隠しきれなくて、

必要最低限のメディアでも、

けんくんの妹ってこともあって私の存在は知れ渡ってる。

祐真さんや渉の過激なファンは私が気に入らなくて街に出ると、

バレるかバレないかのこういった嫌がらせをしてくる。

…それだけあの二人が注目されてるってことだから喜ばしいことなんだけどね。

けんくんファンの人は、妹っていうこともあってか、好意的でいてくれる人は多い。

それに、もちろん、祐真さんや渉のファンの人でも、応援してくれてる人はいる。

「私がいるのにわかってやってんの?腹立つー!莉緒さん、黙ってなくていいですからね?ほらこっち歩いて!」

由香ちゃんが真ん中に私を入れてくれる。