ガヤガヤとした店内。

あちこちで聞こえるセールの声。

1人テレビ売り場の前で立ち止まる。

「あ、決まる…」

テレビの中のキラキラな世界。

どうなったって自分がそこに立つことはない。 

1人のバレーボール選手に見惚れる。

「ふふ、この試合絶好調だったもんなぁ。」

独り言のように呟く私。

「あ、いつもよりサーブのトスが低い、引っ掛ける。んー、もう少し安定させることができたらなぁ…」

1人で考えながら、

ぶつぶつと呟いていたら、後ろから声をかけられる。

『あの、』

これが私達の出会い。

これが私の運命のはじまり。