俺様天使の助手になりまして


 慌てて握り締めていたスマホのアプリを起動した。

 シャッター音が空気を震わすと、光る人がこっちを向く。

「ヤバ。すごいカッコイイ……」

 サラサラと動く長めの髪はブロンドで、瞳は藍色っぽい。

 映画俳優のようなすごいイケメン。どこの国の人?

 思わず見惚れるけれど、所々に葉がついていて、頭に鳥が乗ったままなのが、ちょっと残念だ。

 撮影じゃなければ、こんなところで何をしているのか。

 私を見る外人さんは、石のように固まっていて微動もしない。

「お前……」

 外人さんはボソッと言う。どうやら日本語を話せるみたいだ。

「はい?」

「まさかお前……今の俺が、見えるのか?」

「は?」

 この人は、何を言っているのかな。

 今度は私が一瞬固まった。

「うん、はっきりと見えるよ。それ、コスプレなの? 天使だよね。その光すごいね、どうやって出してるの? 背中の翼に仕掛けがあるの? その鳥飼ってるの? すごく可愛いね!」

 矢継ぎ早にいろいろ疑問符を並べるけれど、外人さんはそれをあっさりとスルーして逆に質問してきた。

「お前、今、何をした?」

「は? 今?」