[伝言は直でお願い]

 教会を出た後、山の上神社に来た。

「……始まりは、ここなんだ」

 私は何をしていたのか、全部聞いた。

 任務を終えて帰宅したサナダも捕まえ、春川さんも知らないことを聞き出した。

『アカリさん、この印が見えますか』

 サナダが示した手の甲には、ハート形のラブリーマークがついていた。見えると答えたら、サナダは真面目な顔をして頷いていた。

 私は神父ではないけれど、同等の力を持っているらしい。

 僅かながらに記憶をとどめていたのは、そのせいだとも言っていた。私にも天使との契約印があったと言うけれど、今は跡形もない。