「あら、元気な男の子たちだこと。先が楽しみです。よく、このお方を守ってくれましたね。〝彼〟も褒めてくれるでしょう。そしてもちろん私も。あちらにご褒美を用意しました。お食べなさい」

 すーっと指差す方を見ると、小さなテーブルと椅子があり、お菓子と飲み物が用意されていた。そこには、何もなかった筈なのに。

 抱っこしている女の子が、大きな目で私を見つめる。

 男の子たちも私を見上げている。

 このキラキラな視線は、「食べてもいい?」って、私の了承を待っている感じで……。

「キミたちにご褒美だって! 良かったね! ほら、お礼を言って、いってらっしゃい!」

 わっと歓声が上がって、口々にお礼を言って、男の子たちは駆けていく。女の子を下ろして背中を押すと、「や~ん。まって~」とパタパタと走って行った。

 今の今まで、あんなに大人しかったのに、無邪気で可愛い。

 私はすすめられた通り椅子に座り、銀髪天使と向き合った。

「あなたのことは、彼に〝よろしく〟と頼まれているのです。あの者たちは下級の警備天使。怪しい侵入者と思えば、乱暴しないとは言いきれません。何事もなく済み、よかったこと。ところで、衣はどうなさったのですか?」