「あぁ、お嬢さん。正しく言えば違うんだ。僕ら天使の持つ武器は、今回の件には使えない。人が元々持っている悪の資質を滅してしまうんだ。威力が強すぎて、使ってしまえば、そこらじゅうに聖人ができてしまうからね。玉を取り出せるのは、印のある助手にしかできない」
アルバルクは、私の手の甲を指差す。サナダの手の甲にも、印がある。私のとは違う形で、ハートに天使の羽がついている。可愛い印だ。私のは二重丸。これって、センスの問題なのかな。
アルバルクのは、さすがオタクって言うか……魔法少女系のマークみたいだ。
「ん? あれ? 君の印……」
「多分竹刀の鍔の形だと思うんです。私の武器は竹刀だから」
「いや、そうじゃなくて……へえ、そうか。リクトール、鬼の護衛隊長様とは思えない優しさだね?」
私の印を見ているアルバルクが、悪戯っこく笑う。まるで、秘密の場所を見つけた子供のように嬉しそうだ。
この印、どこかおかしいのかな? というか、さっき、なんて言った?
「鬼の隊長?」


