俺様天使の助手になりまして


 額に滲んだ汗を拭いて、隣を見上げる。

 アクマ天使はいつもと全然変わらない。一歩進むたびに髪がさらりと動いて、羨ましいくらいに涼しい顔をしている。

 天使って汗が出ないのかな。自動で体温が調整出来るのかも。肌も白くて綺麗だし。

 ひょっとしたら、雪女みたいに体が冷えているのかもしれない。天然クーラーって素敵すぎる。ちょっとだけ触ってみようかな。

「お前、ここでちょっと待ってろ」

「……うん?」

 そろそろと伸ばしかけていた手を、サッと引っ込めた。

 急にくるんと振り向いて、道を逆戻りしていくアクマ天使を見送る。どこに行くんだろうと見守っていると、自販機の前で止まって、ガコン!って音が鳴った。

「あそこ、カルピスがねぇんだな。だから適当だ」

 ほら、と冷たいぺットボトルが渡された。

「買ってくれたの?」

「助手の健康管理は俺の仕事だ。ありがたく飲め」

「わあ、ありがとう! 喉が渇いてたんだ。天使なのに、自販機の使い方知ってるんだね。ていうか、お金持ってるんだね!」

「ん、当然だ」