パパみたいになりたいって言った時は、確か、剣道を習い始めてすぐの頃だった。
私を抱き上げてくれて、「ママみたいな看護師さんじゃないのか?」って、嬉しそうに、目がなくなるくらいに笑ってくれた。傍で聞いていたママも、にこにこしていた。
でもママはあの事件以来、剣道大会でとった賞状も楯も写真も、パパの剣道に関するものは全部、押し入れに仕舞っちゃった。
『剣道なんて、してたから――警官でさえなければ――』
段ボール箱に入れながら、泣きながら、そう言っていた。
それからも、真っ暗な台所で泣くママを、何度も何度も見た。
直接はっきりと「剣道を止めて」と言われたことはないけれど、言葉の端とか表情からママの想いが伝わってきて、すごく辛くなったんだ。
優勝しても、喜んでくれなくなった。
おめでとうって言ってくれるけど、困ったような沈んだ顔をするんだ。
『剣道は中学までにするね。高校は、県立に行く』
そう決めたら、ママは安心した顔を見せてくれた。私には、ママの気持がよく分かる。


