パパが、命がけで守ったから。
犯人は、刑務所を出たばかりの人だって聞いた。出所した後の仕事とか人間関係がうまくいかなくて、自暴自棄になってやったんだって。
刺された時のこととか、ママは詳しく話してくれないけど、事件を扱った警察の人が全部話してくれたんだ。
「で、剣道のせいか。だが、それは違うんじゃねえのか。悪いのは、犯人だぞ」
「そうなんだけどね。それに、剣道してなくても、パパは犯人に向かって行ったと思う。だって、パパは警官だったんだもん」
「一般人じゃなかったのか」
「うん。パパはね、駅前の交番のお巡りさんだったの。街を守るためにいつも頑張ってて、スリを捕まえたり迷子のお世話したり。気さくな人柄で商店街や街の人の評判も良くて、優しくてカッコ良くて自慢のパパだったの。だから、パパみたいな警官になりたいって思ったの」
仲間からも、地域の人達からも、みんなから信頼されるような。
『わたしね、おっきくなったら、パパみたいなおまわりさんになる!』
『そうか。じゃあ、朱里は婦人警官だな。なら、たくさん勉強して、剣道も強くならなきゃな!』
『うん! がんばる!』


