俺様天使の助手になりまして


「あ、違うんです。たまたま通りかかったら、道場から元気な声が聞こえてきたんで、それで足を止めて」

 嬉しそうだった若先生の顔が、残念そうに歪んだ。

「そうか。あ、ちょっと見ていくか? 子供たちの稽古見てくれるとありがたい。みんな月末にある全国大会に向けて猛練習中だ。OGが来てくれた!って子供たちが喜ぶから」

「わあ。全国大会、今年も行けたんですね! おめでとうございます! そんなことならそうしたいですけど、今時間がないんです。急ぎの用事があって」

 ごめんなさい!って、両手を合わせると、若先生はアクマ天使の方を見た。

「ああそうかそうか、悪かった。デート中だもんな! 彼に悪いよな!」

「違うんです~。そうじゃなくて、用があるんです~」

「照れるな、分かってるぞ!」

 若先生は声を立てて笑いながら、私の肩をぽんぽん叩く。そしてその手がピタッと止まり、グッと力が入った。

「いや、本当に、真面目そうな良い子じゃないか。清んだ良い目をしてる。彼なら、天国の新藤さんも安心だろう。これでも人を見る目はあるんだ。保証する。彼は良い男だぞ」