俺の返答に社長が掌を額にあてて、打ちひしがれているのを見ているのはたぶん俺だけだった。

神奈もモモタも万里も。

俺の言わんとすることがわかって呆気にとられていたから。



「そ、それは一体どんなすごいことがあったのでしょうかっ?」


司会者も周りの来賓客も皆、誰もが注目している中で言えることが俺には何より嬉しかった。


俺の可愛い可愛い仁那を、誰にも取られたくないからね。

ようやく仁那に近づくやつらを堂々と牽制できる。





「大好きな人と結婚できたときに」




――仁那は俺の妻だからって言える。