「ねえ!なんか校門とこにやばいくらいのイケメンいるって!」


うちのクラスのHRが終わった瞬間に別のクラスの子が興奮しながら教室の扉をあけた。

「うっそ!絶対見に行く!!」「きゃーっ!どこのイケメンよ!見たい見たいーっ!」と、その声に反応して一斉にクラスの女子のほとんどが教室を出て行ったのを呆気に取られて見送っていると、藍の顔が横からニョキと覗き込んできた。


「にーな!なに変な顔してんの?帰るよ?」

「あ、藍〜、いやみんなのテンションに驚いて固まった……」

「あぁ、イケメンね。そんなの校門出れば見られるじゃんね?」

「ねー、みんなのイケメンにかけるバイタリティがすごすぎる」


ペンケースを鞄にしまって立ち上がると、


(さとる)、私帰るねー!それ明日でいいからそんなに焦ってやらなくてもいいよ!」

6限の数学のノートを一生懸命書き写してる隣の席の悟に声をかける。