ギターのネックを軽く握ると目を閉じて一度息を吸う。

とりあえず今はRUIさんのことは気にしない。

みんながざわついているのも聞こえない。

私の耳には自分のギター音しか届かない。


そう心で呟いて、目蓋をそっと開く。





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ギターを始めたばかりで音楽が楽しくてしょうがない時のことを思って作った曲。

孔雀の羽のようにたくさんの色が綺麗に光輝いてみえる、ギター音がたくさんの音色を聴かせてくれた時の感動を今も鮮明に思い出す。

あの時の楽しさを思い出すとどんどん楽しくなってきて、歌ってるだけで笑顔が溢れてくる。



たくさんの拍手をもらって、ようやく耳にギターの音以外も入ってきた。

お客さんがみんな笑顔で私を見てくれている。

わぁ……、すごい喜んでもらえた。