「きゃー!やだ可愛いすぎる!何これやばい〜!」

「ほんとですねー!grisさんほんとにこういう衣装お似合いで!」


スタイリストの甲斐(かい)さんと菫さんのおもちゃにされながら、全身鏡に映る自分の姿を見て驚く。


ゆるっとしたデザインで布をたくさん使った複雑な形をした向日葵色のロングワンピースのドレス。
肩とデコルテはそんなに出ていないけど何故かスカートの後ろ部分がパックリとスリットが入っていて膝裏あたりから下の足が片方丸見えだ。


「すごい〜、こんなドレス一人じゃ着られないし脱げない!この部分とかどうなってんの?」

袖のあたりを摘んでみるけど、どこに繋がってるのかよくわからない。


「もー!grisちゃん感想違うでしょー!私がこんなに可愛く綺麗にしたのにさ!」

ぶつぶつ文句を言いながら私の髪をいじる甲斐さんが残念そうに呟く。

「それにgrisちゃんメディア露出しないからこの格好で歌ったりしないんでしょー?」

「そうだよー、これは非公開でやる授賞式のためだけの格好なの」